多摩境というのは、京王相模原線の駅名です。
“多摩境一丁目”といったような、地名としての「多摩境」はなく、住所としては町田市「小山ヶ丘」「小山町」の両地区を合わせた地域が多摩境と呼ばれています。
多摩ニュータウンで最後に開発が行われた地域で近年人口が爆発的に増加しています。
どれくらい、人口・世帯数が増えたのかを調べてみました。
多摩境地区を地図で確認
まずは、多摩境を地図上で確認します。
多摩境、地名の由来
地名の由来を考えるとき、「多摩境」は「多摩」と「境(堺)」に分けるのが妥当で。
多摩地区との境(さかい)の場所、ということができます。
多摩境駅から南に500メートルほど下ると、東京都と神奈川県の県境にあたる「境川(さかいがわ)」が流れています。
境川は、歴史をさかのぼると「武蔵の国(現在の多摩地区)」と「相模の国(現在の相模原など)」を分ける境界の川になっていました。
相武(そうぶ)という言葉を聞くことがありますが、相模と武蔵を合わせた呼称です。
多摩境の付近は、「堺村(さかいむら)」と呼ばれていたようです。
これが、相模と武蔵の堺(境)に位置する村という意味なのでしょう。
京王相模原線の新駅を設置する際、駅名で迷ったのではないでしょうか。
地名から「小山駅」とした場合、栃木県内にJRで同じ「小山駅」が存在するため、混同される恐れがあります。
また同様に、静岡県には「駿河小山駅」・東京都には「武蔵小山駅」があり、ややこしいです。
そこで、歴史を掘り起こして、「多摩の堺」から「多摩境」と命名したと考えることができます。
多摩境の人口・世帯数
- 小山ヶ丘: 11,815人・4,489世帯
- 小 山 町: 18,530人・7,613世帯
- 合 計 : 30,345人・12,102世帯
小山ヶ丘・小山町の世帯数及び人口を町田市役所から引用しています。
(2020年1月現在、町田市、市の統計ページより)
多摩境駅の利用者(乗降)数
駅名 | 2018年度 | 2017年度 |
新宿 | 797,378 | 786,052 |
調布 | 129,968 | 125,624 |
京王多摩センター | 90,216 | 87,411 |
京王堀之内 | 32,879 | 32,268 |
南大沢 | 64,285 | 64,366 |
多摩境 | 20,587 | 20,487 |
橋本 | 98,838 | 97,216 |
京王電鉄のホームページを閲覧すると、一日の乗降数を見ることができます。
※出典:京王電鉄一日の駅別乗降人数)
まとめとして
今から、30年前の1990年1月時点、小山町の人口は 10,169人(3,110世帯)でした、
この30年間で人口は約3倍、世帯数は約4倍に増加したことが分かります。
多摩ニュータウンの開発事業において、最後に着手された地が多摩境です。
急激に増加した人口をカバーするインフラの整備がいまひとつ後手にまわっている印象を受けます。
民間主導で行われる、マンション建設やショッピングセンターなどの商業施設などの順調さに比べて、行政が主体になる整備には不満を抱える住民が少なくないと聞きます。
以前から言われていますが、多摩境駅前に交番の設置などが必要なのではないかと、個人的にも感じます。
※1990年当時、小山ヶ丘という地名はありませんでした。2004年3月31日、土地区画事業により、小山町地区から小山町と小山ヶ丘に分かれています。